第82回全国学校歯科保健研究大会報告

報告者 副会長 上保 基

 去る12月6,7日、沖縄にて第82回全国学校歯科保健研究大会が開催され、益山会長とともに参加して来ました。まず、那覇空港に降り立つと気温27℃と東京との温度差に驚きました。沖縄の冬は1,2月のみということです。
 
 今回のテーマは“生き抜く力をはぐくむ歯・口の健康づくりの展開を目指して”と題され、それに相応しい基調講演がありました。首都大学東京 名誉教授の星 旦二先生は“児童生徒が身に付ける長寿の秘訣”と題し、とても斬新ユニークかつ聴衆が引き込まれるような講演をされました。
 
 テーマは“NNK(ネンネンコロリ)からPPK(ピンピンコロリ)に変える“ことで、そのためには
① かかりつけ歯科医(かかりつけ内科医より大切)を持ち、口腔ケアを心がける
② 豊かな食事やお酒を楽しみ、少し太めで、コレストロールは高い方が良い
③ 家庭内で子供は親、祖父母との会話により、自尊心を高める
④ ペットを飼って世話をする
⑤ 暖かい家に住む(冬でも18℃以上)
 
 シンポジウムでは”学校歯科保健活動のもつ教育力を考える“と題し、校医、教諭、沖縄教育庁と様々な方面からの報告がありました。
 
 その中で、長崎の小学校の取り組みとして、6年生の家庭科の時間に”しっかり噛める小学生にでもできる料理レシピ“をチームで考案した後、調理実習を行いました。さらに家庭でも噛み応えのある料理を祖母、母親に和食中心の献立を習い、自作のカムカム弁当を九州大学の学生達の前でプレゼンテーションまで行いました。それにより大学生にも認められたという”自己有用感“が高まったということです。そんな取り組みを行っていると、クラス内の連帯感が生まれ、自然と”いじめ“がなくなっていったという素晴らしい報告もありました。これを導いていった先生方の情熱にも感嘆しました。
 
 2日目の領域別研究協議会小学校部会では那覇市の校医や教諭により学校でのフッ化物洗口の取り組みが紹介されました。
 
 沖縄の12歳児DMFT指数は全国一高いということで、平成27年度から学校での週1回フッ化物洗口を開始し、その効果が徐々に現れているということです。実施に当り、校長の理解が大きかったと話されていました。しかし当初は通知の方法や親の反対などのご苦労があったそうです。
 
 また、虫歯治療の必要性を通知しても、歯科医院での治療を受けてもらえない家庭が多いことから通知用紙の色を変えたり、校長自ら呼びかけたり、担任が個別に説得したりと様々な対策を実行し、虫歯治療率を上げて行った報告もありました。
 
 さらに驚いたことは赤染めの換わりに黒いクッキー(オレオ)を食べさせ、食事後の口腔内の残渣の多さを理解してもらうことを実施していました。これは赤染め剤はアレルギー反応を起こした事例が報告されていることで拒否する保護者がいることから生まれた“黒クッキー法”だそうです。
 
 私は学校歯科の学会に参加は初めてだったため、学校関係者の子供達に対する熱意が印象に残る2日間でした。
 
 

 

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